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柳(やなぎ)は、大日本帝国海軍の駆逐艦。松型(丁型)の14番艦である。日本海軍の艦名としては2代目(初代は二等駆逐艦「桃型」4番艦)。 ==艦歴== 丁型一等駆逐艦第5497号艦として藤永田造船所で建造され、呉鎮守府籍となる。 就役後、訓練部隊の第十一水雷戦隊(高間完少将・海軍兵学校41期)に編入。瀬戸内海に回航され、2日遅れて竣工した「橘」とは、ほとんどの期間で行動を共にした。1945年(昭和20年)3月15日付で「椿」「桜」「楢」「欅」「橘」とともに第五十三駆逐隊を編成する〔『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030127900, pp.60〕。戦艦「大和」の沖縄水上特攻作戦(坊ノ岬沖海戦)に参加するため訓練に従事していたが、その任務に加わる事はなかった〔#最後の海空戦111頁〕。4月7日以降は第三十一戦隊(鶴岡信道少将・海兵43期)の指揮下に入り〔『第三十一戦隊戦時日誌』C08030074900, pp.52〕、回天目標艦として大津島方面で行動した〔『第三十一戦隊戦時日誌』C08030074900, pp.73,74〕。5月7日、「橘」とともに大湊警備府部隊に編入され〔『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128000, pp.41,42〕、5月13日に呉を出港して大湊へ回航された〔『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128000, pp.44〕。5月14日、周防灘姫島沖で米軍艦載機8機と交戦し、戦死1名負傷8名の被害を出す〔#最後の海空戦112頁〕。関門海峡の掃海を待って日本海に移動し〔『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128000, pp.45,46〕、5月21日に大湊に到着した〔『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128000, pp.49〕。津軽海峡で対潜警戒に従事する傍ら、6月11日に「橘」とともに大湊を出港して、5月11日に占守島で爆撃を受け損傷した海防艦「八丈」の護衛を兼ねて舞鶴に向かう〔『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128100, pp.12 、『海防艦戦記』75、76ページ〕。その後も津軽海峡の警戒に従事し、函館湾を根拠とした。 7月14日、折から日本本土への最終攻撃作戦を行っていた第38任務部隊(ジョン・S・マケイン・シニア中将)は、朝から艦載機を飛ばして北海道および東北地方の市街や港湾施設、飛行場、艦船を片っ端から攻撃していった。「柳」からは、「第三青函丸」が沈没する光景が見えたという〔。また僚艦「橘」も沈没した。その後、偵察機に発見された「柳」は渡島福島沖で空母「エセックス」艦載機の空襲を受ける〔。魚雷の回避には成功したものの、ロケット弾攻撃が命中。11時52分頃、艦尾切断、舵機室・推進機能喪失の被害を受けた〔『大湊防備隊戦闘詳報第九号』pp.28〕。戦死者21名、負傷者59名を出し、戦死者・戦傷者は福島町住民によって収容された〔。「柳」の曳航には福島町の漁船が参加している〔#最後の海空戦11頁〕。大湊に曳航された「柳」だが、8月9日にも大湊湾で第38任務部隊の艦載機による再度の空襲を受ける(大湊空襲)。敷設艦「常磐」とともに攻撃を受けて大破し、浸水が激しく葦崎東方海岸に擱座して沈没を免れた。「柳」は2機を撃墜したが、重傷者2名を出したとされる〔#最後の海空戦113頁〕。「常磐」も懸命の排水作業を続けたものの、8月15日の終戦を迎えて乗員が艦を去っていく事により排水作業が出来なくなることから、8月15日中に艦の保全のために同じく葦崎東方海岸に擱座し、曳船の助けを得て投錨して艦を固定した〔田村, 169ページ〕。 戦後「柳」の船体が北九州の軍艦防波堤に使用されたとする文献も多いが〔#最後の海空戦116頁〕、防波堤に使われたのは初代「柳」であり、本艦「柳」は1946年(昭和21年)10月から翌年5月までに解体された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「柳 (松型駆逐艦)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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